水戸市立吉沢小句会ライブへゴー!
水戸は気持ちのよい冬晴れです。
今日はどんな子どもたちに会えるでしょうか〜♪
- 2013.01.31 Thursday
- スパイシーな日常
- 08:32
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そろそろお手元に俳句マガジン『100年俳句計画』2月号が届くころでしょうか。ならば、1月号の放歌高吟、そろそろ転載してもエエ頃かな。以下、作品12句+エッセイです。
宝船
不眠症の猫に一枚宝船
宝船の波のいささか高かりき
あらたまや放水銃のぴっかぴか
お飾りの吹かれて羊歯の乾きよう
母刀自のいよよ猿めくお元日
おみくじの花咲け花さけお元日
弥栄(いやさか)や蔵に巨大な嫁が君
初夢の怒りは紅の紐か
真っ白な兎の耳にある淑気
あらたまのヨーヨーあがるさがるさがる
学校正門お飾りの蜜柑が取れてる
書初のこれはイタリア語であるか
新しい年の一月号をお届けする。
迎える2013年は、マガジン創刊十周年。「もう十年を迎えたか」との感慨に浸る……というよりは、「100年俳句計画の十年がすでに費やされたか」という事実にささやかな驚きを覚える。さらに修正すべきあれこれ、展開したいあれこれを列挙すれば暇がないが、ひとまずは十年を共に歩いてくれた組員句友の皆に感謝し、この十年の成果を言祝ぎたいと思う。
長年の細い句縁が続いている俳号志賀内サラリーマン氏から、今年も宝船の絵が届いた。白地に赤で描かれた宝船には、七福神やら金銀財宝やら米俵やらが賑やかに積まれている。帆には大きな「宝」の一字、「ながきよのとおのねふりのみなめざめなみのりふねのおとのよきかな」というお決まりの回文和歌も墨痕黒々と書き記されている。
宝船の絵に添えて、もう一枚解説書が付いているのは、「宝船」がすでに絶滅寸前季語である所以か。「由来について」「絵に添えられている和歌について」という解説項目の他に、「ご利用方法について」ってのがあるのは、サラ金の注意事項みたいでちょっと笑える。「元旦の夜、もしくは二日の夜に、この絵を枕の下にそっと敷いて眠りについて下さい」とのご利用解説もほのぼのと可笑しい。
七福神は文字通り、神仏の「神」である……かというと、ちと違う。『絶滅寸前季語辞典』を書く時に調べたことがあるのだが、お馴染み布袋さんは中国の仏教で、福禄寿・寿老人は道教。エビス顔の恵比寿さんは日本土着の信仰にして、大黒・毘沙門・弁才はインドのヒンドゥー教。といいつつ、大黒さまなんぞは【シヴァ神の化身マハーカーラ神と日本古来の大国主命の習合】だというのだから、もう何でもかんでも御利益ありそうなものをてんこ盛りしてみた!のが七福神だと思うしかない。が、それもそれで微笑ましい目出度さだ。
インドも中国も日本もなく、神様たちは笑顔で一つの船に乗り合わせ、私たちに佳い初夢を下さる。国家も社会も家族も人も、さまざまな困難を抱えたまま迎えた2013年だが、私たち俳人の強みは、それもこれも全てを五七五に詠い、おおらかに笑い飛ばし、不屈の心で歩き出せることだ。宝船を囲む波はいささか高いが、マガジン創刊十周年なるあらたまの船出を、共に言祝ぎたい新年である。
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