無念なる冬の雨

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    最高の冬青空で開会した今年の『トレッキング・ザ・空海』でしたが、由良半島が眼下にのびる「つわな展望台」にてお弁当を食べたあたりから雲行きが怪しくなってきました。途中で冬の雷も鳴り出し、下山を急ぎました。

    13キロのゴール地点となる津島町嵐・風園では、あったかい豚汁や大福餅でのお接待が待ち構えていたのですが・・・

    残念ながら「句会ライブ」は実施できず。「句会ライブ」のためのホワイトボード・長机・スピーカー等、さみしい撤収が始まっておりました。雨の東屋にて、「つわな展望台」で回収した投句を選句。お楽しみだったキム・チャンヒ君のライブ・ペインティングを観ていただくことは叶いませんでしたが、入賞者の皆さんには後日賞品を郵送させていただくそうです。楽しみにお待ち下さい♪

    雨の中を黙々と歩いた皆さん、お風邪など召しておりませんでしょうか。
    私たちも無事松山に戻り、あったかい焼酎なんぞをいただいているところです。

    明日は、内子町五十崎むーみんの谷句会。
    明後日からは、再び巡業の旅。
    しばしの休養、ホッ♪

    トレッキング・ザ・空海

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      二日目は300人の参加!

      俳句ネットワーク 兼題「おでん」 ご投句ありがとうございました!

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        ※タイトルコールおよび前説
        アナ 俳句集団「いつき組」組長夏井いつきさんです。夏井さん、おはようございます!
        夏井 おはようございます。

        アナ 今朝ご紹介する季語は「おでん」です。冬といえば「おでん」ですね!
        夏井 冬の料理といえばこれ!という人も多いんじゃないでしょうか。最近ではコンビニでも売ってますね。
        アナ よく買います(笑) 
        夏井 そうなの(笑)。コンビニという場面も、この季語が獲得した新しいイメージですね。暖かく煮える湯気が、気持ちいいし、主婦がおでかけする時の定番メニューってイメージもありますね。大鍋でどかっと作るおでんは庶民にとっても作り置きの楽な、親しみ深いもの。同時に、「おでん」の持つ庶民性がうらぶれた気分といいますか、愚痴を言ったり、酒を飲んだり、といった印象も醸し出しますね。今日はいろんなおでんの姿を紹介したいと思います。

        アナ 「おでん」を詠んだ句には、どんなものがありますか。
        夏井 まずは有名俳人のこんな一句を。

           ぐちぐちと愚痴をこぼしておでん煮え    清崎敏郎

        夏井 ぐちぐちと愚痴をこぼすってことは誰しもあるし、どんな料理食べてる時でもあり得るんですが、やっぱ「おでん」が似合いますね。「ぐちぐちと」の音から始まる語順がこの句のいいところ。愚痴をこぼす状況と共に、鍋が煮える音もまた「ぐちぐち」と聞こえてきます。「こぼす」という動詞もまた、おでんのなみなみと煮えるつゆの映像を想像させてくれました。
        アナ なるほど、皿の汁も「こぼす」って感じです(笑)。自分の姿が浮かんできました。

        アナ それでは、俳句集団いつき組の皆さんが詠んだ俳句を紹介してください。
        夏井 今回も私のブログで「おでん」の句を募集しました。たくさんの投句ありがとうございました。今日は集まった245句の中から三句をご紹介いたします。

        アナ 245句!すごいですね。
        夏井 はい!まずは、こんな愉快な一句から。

           練り物の名前ゆかしきおでん鍋     ぼたんのむら

        夏井 「練り物」ってどんな名前思い出します?
        アナ ちくわ・・・とか(笑)。
        夏井 そう、つみれ、はんぺん、なんてのもありますね。それらの名前にどことなく心が惹かれる。作者の素直な心情が愉快な一句です。「ゆかしい」という言葉を持ってきたのがこの方のうまいところですね。「ゆかしい」には情趣があるとかなつかしく感じられるという意味があります。その情趣が「おでん」の季語の本意とうまく響きあいました。下五「おでん鍋」の収め方も、いろんな練り物がごちゃっと入った映像を見せてくれます。
        アナ 「ゆかし」なんて言葉が「おでん」に似合うんですねえ。

        アナ では二句目をお願いします。
        夏井 続いてご紹介する句はうらぶれ系です(笑)。

           おでん屋はタネ平しをり愁嘆場     トポル

        夏井 おでんの句には愚痴いったり、ぼやいたり、くだを巻いたりする句が多いんですが、今回の募集でもそういう句がいっぱい寄せられました(笑)。この句はそういった背景を踏まえつつも、淡々とした上五中七の描写がリアルです。一転して、下五「愁嘆場」への展開の仕方が鮮やかでしたね。あ、そもそも「愁嘆場」って言葉の意味は分かりますかね?
        アナ あまり耳慣れない言葉ですが。
        夏井 「愁嘆場」は芝居で、登場人物が嘆き悲しむ所作のある場面のことで、実生活上の悲劇的な局面にもいうようになりました。私はね、おでんの屋台で飲んでたらいきなり隣の客たちが「愁嘆場」を演じ始めた、みたいな印象で読みました。おでん屋のおじさんは、仕事上の態度として淡々と「タネ」を均してるんだけど、否応なく話の内容は聞こえてるわけで〜(笑)。
        アナ いやはや、場面がありありと浮かんできますねえ(笑)

        アナ では最後の一句をお願いします。
        夏井 次の句は、一度見たら忘れられない異色作です(笑)。

           この耳朶を噛んだあの歯でそのおでん     中原久遠

        アナ すごい一句ですね!
        夏井 普通おでんの句作れって言われてこんなこと考えませんよ(笑)。この句が上手いのは指示語の使い方です。「この」「あの」「その」と距離感の違う三つの言葉を一度に使ってきました。まずは近くの「この耳朶」、己のみみたぶを示します。次ぐ「あの歯」は記憶の中のものです。時間的隔たりの先にある、「あの時自分のこの耳たぶを噛んだあの歯」の存在を示します。しかもその「歯」は目の前で「そのおでん」を食べている、という種明かし。つくづく変なこと考える人やなあ〜と思いますが、読み手をうまく誘導する言葉の組み立て方がお見事でございました(笑)。

        アナ いや〜深い。深すぎてコメントできない(笑)
        夏井 朝っぱらからごめね(笑)。
        アナ 夏井さん、「いつき組」の皆さん、今日はありがとうございました。

        ※以上、ラジオが聴けない地域の皆さんへの、聞き書きでした。
        続いては、ご投句下さった皆さんへの「御礼選」をお楽しみ下さい。

        ◇夏井いつき御礼選♪
        ◆おでんといえばチビ太だろ!
        三つ刺すチビ太のおでんの決まり事 トポル
        串に刺すチビ太を真似たおでんかな ぼたんのむら

        ◆おでんは笑顔
        おでん鍋菜箸伸ばしひろがる和 かほ
        囃子ききおでんを囲み皆笑顔 睡花
        湯気香り笑顔花咲くおでん鍋 千紗
        おでん越し香りも笑みも揺らめいて 初心者

        ◆好みのタネはそれぞれ〜♪
        おでん屋のちくわほおばる帰り道 まこち
        おとうとへおでんの玉子ボク兄貴 にじたん
        二個ずつの卵ぷかぷかおでん鍋 野迫川勘太
        箸持てばおでんの玉子消え失せり 猫じゃらし
        世話好きのおでん玉子はもういいよ 猫ふぐ
        おでん屋の一スジ二たまご三ダイコ 喜多輝女
        湯気立つもスジ無く悲しおでんかな 中島 京子
        すじ肉やおまえが入らなおでんじゃない 市川弘美
        さへづりの由来や説きて関東煮き 南亭骨太
        故郷の芋入れおでん煮へ始む たま
        婚家ではおでんにソーセージが人気 理子
        蒲鉾の街に嫁ぎておでん食む 理子
        おでんざわめく「お前も海の出身か」 緑の手
        蒟蒻が主役に昇格するおでん 小市
        具に序列あると言い切るおでんかな 山走子
        トマト来て保守ネタ騒ぐおでん界 トポル
        これもあり世代交代おでん種 のり茶づけ

        ◆熱いぜ、おでん!
        上顎を灼いても食べるおでん哉 喜多輝女

        ◆まだ味染みてねえ
        火点しの頃のおでんの白さかな 隣安
        沁む前に食い尽くされるおでんかな 猫ふぐ

        ◆小鍋のおでん
        鍋出しておでんくださいな床屋の子 トポル
        慎重に小鍋へ移すおでんかな 野迫川勘太

        ◆おでんとは関東煮
        おでんと言うな関東煮と言え青春 ねこ端石
        関東へ嫁に行ったかおでん食う 雪花

        ◆歌って聴いて
        おでん屋に流しのジロー別れ歌 麗門
        懐かしやチャンチキおけさおでんの灯 昭
        おでん屋を出て山谷ブルース唄う 小木さん
        CDはラフマニノフやおでん喰ふ 内藤羊皐
        ドリスデイ聴きつつ食べるおでんかな れんげ畑

        ◆テレビとおでん
        軍師官兵衛見ながら食べるおでんかな れんげ畑
        国会の放送聴きつおでん煮る 丸山清子

        ◆祖母あり
        おでんだけ祖母か怒らぬ迷い箸 長久

        ◆母あり
        たとふれば母は巾着おでん鍋 ヤスハル
        おでん仕込む母明日から雨らしい 和のん

        ◆若妻あり
        新婚の加減分からぬおでんかな ヤッチー
        悪阻時夫作りたるおでんかな ☆風花☆

        ◆通い夫あり?
        この道何十年往復したろうかとおでん JOSF1332

        ◆蘊蓄あり
        歳月やおでんを熱く語る君 紅あずま

        ◆昭和のおでん
        引売りのおでんおやつや昭和の子 みさき

        ◆ボウズとおでん
        釣りすれど今日はボウズやおでん鍋 どかてい

        ◆家で食うおでん
        家家に明かり灯りておでん鍋 越のフライフィッシャーマン
        おでんなう食べたい奴はうち集合 ひでやん
        おでん囲みて放射状家族 更紗

        ◆今日もおでん明日もおでん
        またおでんと夫の声背に外出かな きのこ
        おでん食ぶきつと明日の夜もおでん てん点

        ◆隣もおでん
        お隣さん今夜はおでんにしたようね でらっくま

        ◆コンビニおでん
        おでん買うコンビニ迷いうろうろす れんげ畑
        コンビニのレジ横おでんの具を悩み でらっくま
        コンビニの稼ぎ頭のおでんかな 空見屋
        偕老のコンビニデビューおでん買ふ さくら
        独り居のコンビニおでんカップ酒 勿忘草
        コンビニおでん二人分け合ふ四畳半 ひかるん

        ◆おでん屋へ来たれ!
        誘おうよ串千本のおでん鍋 夢
        迷ひけりおでん屋をじつと待たせて 葦信夫

        ◆屋台で食うおでん
        背な二つ丸くなりをりおでん屋台 ほっきゃー
        婆笑ふおでん屋台のコップ酒 立待
        椅子ひとつ譲ってもらいおでん酒 のり茶づけ
        風強しそんなにおでん味噌盛らんといてな ねこ端石

        ◆穴場のおでん屋
        その路地の迷宮の奥おでん屋ひさご ねこ端石
        おでん屋さん看板娘はお婆ちゃん 薩摩揚げ

        ◆化粧臭いおでん
        クラブ「春」えっここまで来ておでんかよ 大塚迷路

        ◆外で食うおでん?
        丘に食むおでん夜空をISS このはる

        ◆働く人々のおでん
        従業員耳たぶに触れおでん鍋 しかもり
        おでん屋のカウンターに叩きつけてせめてもの営業論 ねこ端石
        企画書を書き直しつつおでん食う プチマダム
        おでん鍋反省会の終わり待つ ぼたんのむら
        おでん置き捜査情報話す刑事(デカ) ひでやん

        ◆議論とおでん
        ちくわぶの有無が論点おでん種 こま
        おでん喰う徴兵制は平等か 小市
        労働者文学を語る先輩おでん酒 小木さん
        議論白熱しておでん冷えて行く ポメロ親父
        難局の出口に匂ふおでん鍋 八十八五十八

        ◆身の上話とおでん
        ヘンテコな身の上話聞くおでん 和のん
        おでんの似合うジジイになりたいのか 猫ふぐ

        ◆おでんと酒
        おでん酒由無しごとの二つ三つ 猫じゃらし
        無作法がぶっきらぼうにおでん酒 黙
        おでん沸くオンザロックの氷割る JOSF1332
        酒好むおでん番長元気かな? こま
        マッサンとエリーおでんとウイスキー どかてい

        ◆飲めば本音のおでん
        ため息とともに本音のおでん酒 根子屋
        気安さにほろりと本音おでんかな 露玉
        おでんぐつぐつほらほら本音ほろほろ 大塚迷路

        ◆恋人たちのおでん
        おでん鍋湯気の向こうに想い人 山歩人
        おかずよしあてよしおでんきみがすき 市川弘美
        つゆだくのおでんハフハフして君に ひかるん
        愛し抜くそんなこと無理おでん食う プチマダム

        ◆出て行く女
        今夜はおでん今夜はママはおでかけ 緑の手
        おでんありと太字に書いて妻の留守 八十八五十八
        おでん煮て母は出掛けて仕舞ひけり 杉本とらを

        ◆飽きたな、おでん
        旅途中おでん飽きぬとメール受く 丸山清子

        ◆開き直るよ、おでん
        かうなればドンと来よ五日目のおでん 大塚迷路

        ◆おでんの悲哀
        酔ひ覚めや昨夜おでんでありしもの チィープ
        煮崩れのおでんを一人食む翌日 きのと

        ◆おでんは祈り おでんは愛、愛は地球を守る
        天災のなきこと祈りつつおでん 根子屋
        おでん煮る湯気に有りし日来たる日々 根子屋
        地球はひとつ平鍋に煮るおでん 空山

        ◆秀作御礼
        トクカエレ今宵はおでんなる祭 カリメロ
        客蛸と言ふ直ぐおでん屋の蛸と言ふ 葦信夫
        練り物の名前ゆかしきおでん鍋 ぼたんのむら
        おでん屋はタネ平しをり愁嘆場 トポル
        へろへろとおでん屋台に漂着す チィープ
        おでん屋の隅密談の二人の背 ひかるん
        下町と言へども銀座おでん酒 杉本とらを
        おでん屋の脇の空き地の小雨かな 葦信夫
        大鍋におでん煮込んで出ていった プチマダム
        冷戦は3日と持たずおでん煮る 伊賀あざみ
        おでんのある辺りの臓器だけ熱い 鞠月
        ラジオより今日の終値おでん炊く 鞠月
        おでん屋の来るころラジオドラマかな 麗門
        星しずか上棟式へ煮るおでん 八木ふみ
        落魄のマダムが装ふおでんかな 久遠
        この耳朶を噛んだあの歯でそのおでん 久遠
        カンガワワ孝川くんに捧ぐ 
        単身や六ヶ所村に煮るおでん 更紗

        ※皆さん、ありがとうございました!またの機会によろしく♪

        俳句新聞『いつき組』〜「雪の座」投句 〆切は11月末日!

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          いよいよ初回の〆切が近づいております。
          『いつき組』の新しい歴史を刻む復活創刊号へのご参加お待ちしています!

          仕様 A4版8頁フルカラー

          初回料金・・・4500円
          初回のみ参加登録料として1000円。それ以降は3500円の年会費です。
          年四回の発行ですが、年に一回 句集スタイル「夏井いつき句集」一冊が付録となっています。

          復活創刊1号の目次は・・・
          ★夏井いつき作品「放歌高吟」12句+エッセイ
          ★『プレバト!!』プロデューサー&総合演出のお二人を交えての座談会
           新刊『超辛口先生の赤ペン俳句教室』裏話がテンコモリです。

          ★読者投句欄は「雪の一句」を募集しています。
          兼題「雪」の一句の中から、夏井いつき選19句を選出。そこに、夏井いつきの一句を加えた20句が、今年の「雪の座」にノミネートされます。20句の中から、どの句が今年の「雪の座」となるかは、読者の皆さんの投票で決まります!

          ★「雪の座」の紙面を彩る「雪」の写真も募集しています!
          投稿いただいた写真は、随時紙面に掲載させていただきます。
          また、読者投票で1位となった「雪の座」の句にぴったりの写真は、今回の「雪の座」+写真=写真俳句作品として、俳句集団「いつき組」の歴史に残していく予定です。それらがまた写真俳句のコラボレーションとして、新たな一冊となっていったら素敵だなあと夢みております。その点もご理解いただいた上での、ご投稿お待ちしています。

          ♪「雪の座」の投句を含む、購読申し込みは以下の宛先まで♪
          電話問い合わせ: 089-906-0694(マルコボ.コム:平日9時〜18時)まで。
          投句&投稿宛先:kumi@marukobo.com
          本文:〒住所・氏名・俳号(あれば)・電話番号を明記してください。
          写真応募:件名を「雪の座・写真」として、メールに添付して下さい。


          赤井稚佳 銅版画展「おくりもの」

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            人気のイラストレーター赤井稚佳さんの個展が、今、兵庫県芦屋市で開催されています。

            私の第二句集の表紙絵を画いてくれたのも稚佳さんです。
            すっごくお洒落な作品♪お近くの皆さん、是非訪ねてみて下さい。

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            YouTube

            「夏井いつき俳句チャンネル」

            好評配信中!!


            俳句の凡人を脱出したい!という方はこちらの動画、「凡人あるある脱出シリーズ」のプレイリスト(右上の三本線に▶)をクリックして再生するのがおすすめです♪


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